耳垢(みみあか)

耳垢(みみあか)

耳の中はバイ菌が入らないように酸性になっています。そのため耳垢も酸性で耳垢には殺菌作用があるリゾチームと言う酵素があります。耳垢は耳の穴の皮膚を保護する作用がありますので完全に不要なものではないということです。

耳垢をきれいに取り除くのは意外と難しく、耳鼻科医でも苦労することがあります。家庭では耳かきでかえって耳垢を奥のほうに押し込んでしまったり、耳の中を傷つけて外耳炎や耳のできものの原因となったり、鼓膜を傷つけてしまうこともあります。お風呂やプールの後に、汚れた耳垢があって耳をいじると、外耳道炎になりやすいので注意が必要です。

診察

「アメ耳」とか「ジュル耳」などと呼ばれる茶色の軟らかい耳垢が多い人は、遺伝的な体質でそうなっている場合が多いです。
急に聞こえが悪くなったという時に、耳垢が原因のことがあります。耳垢が溜まっていても少しでも隙間があると聞こえは悪くなりません。お風呂やプールなどで水が入って耳垢がふやけて耳の穴をぴったり塞いでしまうと、急に聞こえなくなり、慌てて耳鼻科を受診することになります。その場合は耳鼻科で耳垢を除去すればすぐに聞こえはよくなるはずです。改善しない場合には難聴などの可能性もあるため、聴力検査で確認してみましょう。

耳垢ギャラリー


  • きれいな耳

  • 少し耳垢があります。ごそごそ音がします。

  • 少し耳垢がありますが聞こえは問題なし

  • 耳が完全に耳垢でふさがっています。聞こえが悪くなります。

治療

耳垢は耳の表面の皮膚の移動やあくび・ものをかむときのあごの動きなどにより耳の外側に向かって移動していきます。
耳鼻咽喉科で除去する場合は、耳や鼓膜を傷つけたりしないように、また出来るだけ痛みの無いように細心の注意を払います。鼓膜内視鏡や顕微鏡で見ながら、小さいピンセットや細い吸引管を用いて除去します。硬い耳垢のときは軟らかくする耳垢水という薬液を耳の中に入れ(点耳)、ふやかしてから洗浄・吸引する方法(耳洗)で耳垢を除去します。固着しているような耳垢栓塞の場合、数日にわたってゆっくりと時間をかけて除去する場合もあります。

大きな耳垢は耳鼻科で年に2~3回除去しておけば、そうたまるものでのはありません。
普段は耳の中はいじらないようにしましょう。

綿棒で耳の入口を拭い取るのはかまいませんが軟らかい耳垢が耳の奥に押し込まれ塞がる場合があります。無理に取ろうとして耳を傷つけないように注意してください。耳の聞こえづらさや痛みがあれば、すぐに耳鼻科を受診するようにして、ひどくなる前に治しましょう。