メニエール病
メニエール病
年々患者数が増加しており現代病の一つと言われています。
難聴とめまいが生じる病気で、何度も繰り返すことがあり慎重な経過観察が必要となります。めまいがおこらない場合もあり突発性難聴との見極めが難しいことがあります。
働き盛りの成人や妊娠・授乳中の方に発症することが多く社会的にも問題となっております。
症状
耳がふさがった感じ(耳閉感)、片方の耳の難聴、耳鳴り、めまい、聴覚過敏などの症状が生じます。
耳に膜がかかったような感覚と表現されることもあります。耳鳴りは「ゴー」や「ザー」と低い耳鳴りが鳴ることが多いです。
聴覚過敏とは子供の泣き声や換気扇の音、食器を置く「ガチャン」などの特定の音が大きく不快に感じられる症状のことです。
特に初期症状としては耳がふさがった感じ、頭が重い感じなどの症状から始まることが多くなります。
原因
妊娠・出産、育児、職場の配置転換や人間関係のストレスなどをきっかけに起こることが多いため注意が必要です。
ストレスや疲労、睡眠不足などがあると症状が改善しづらいとされています。
内耳がむくむことにより症状が出現します。
特に梅雨の時期は気圧の変動が大きくメニエール病の症状が悪化しやすくなりますので注意が必要です。
新幹線や高速道路のトンネル、高層ビルのエレベータなども症状を悪化させる誘因となります。
雨が降る直前の気圧が下がるタイミングで発症してくることが多いです。
検査
聴力検査、めまい検査、重心動揺計検査などを行います。
片方の聴力が低下していたり、眼振という目の動きがみられることがあります。
治療
めまいの症状が強い場合はまず注射での治療を行います。ほとんどの場合は数日で激しいめまいは治まります。お薬はメニエール病の特効薬を処方いたします。併せて抗めまい薬や吐き気止めを処方し、ビタミン剤や血液循環改善薬を併用します。
症状に応じて漢方薬に切り替えることもあります。
処方例
- イソバイド
- メニレットゼリー
- 五苓散(ごれいさん)
- 柴苓湯(さいれいとう)
- セファドール
- メチコバール
- アデホス
など
生活上の注意点
脱水になると症状が悪化しやすくなりますので普段より多めの水分摂取を心がけてください。
成人女性では1~1.5リットル
成人男性では1.5~2リットルくらいが目安になります。
カフェインやアルコールは控えるようにしましょう。
有酸素運動が症状の改善を促しますので散歩、早歩き、自転車、水泳などの有酸素運動をしていただくことをお勧めします。
慣れてくると症状の前兆がわかるようになりますので調子が悪くなる兆しが見えたら早めに受診をするようにしましょう。
睡眠不足やストレスも症状悪化の要因ですのでストレスを減らし睡眠時間をしっかり確保しましょう。
目標は7時間30分です。
朝起きて午前中に陽を浴びることで体内時計がリセットされます。めまいがあるからと言って自宅に引きこもらないようにしましょう。
長時間のPC作業などで同一の姿勢で長時間いると症状が悪化しやすくなります。仕事などでPC作業が多い方は定期的に休憩をはさんで体を動かすようにしましょう。
メニエール病は完治するの?
メニエール病を発症した方は半数程度の方は完治します。
症状を繰り返したり持続する方でもだんだんと病気の前兆がわかってくるため、メニエール病との付き合い方がわかってきます。
ずっと症状で悩まされ続けている方は稀です。
症状が長引く方もうまく症状をコントロールする方法を一緒に模索していきましょう。