アレルギー検査
1、鼻汁(鼻水)検査
鼻水をとってアレルギー反応が出ているかどうか調べる検査です。
風邪の初期とアレルギー(花粉症)の症状は似ているため、原因を調べることが重要です。
この検査をすることで、鼻水や鼻づまりの原因が風邪なのかアレルギー(花粉症)なのかが分かります。結果は数日で出ます。
鼻水を綿棒でこすり取るだけなので、小さなお子様でも安心して検査を受けることができます。
※費用は3割負担の方で500円程度です。
正式には「鼻汁中好酸球検査」といい、アレルギー反応がでているときに鼻水の中に増える「好酸球」という白血球を見つける検査です。
この「好酸球」の数が多ければアレルギー(花粉症)、見つからないかほとんどゼロなら風邪、と考えることができます。
~こんな方におすすめ~
・鼻水が出ているが、風邪なのか花粉症なのかわからない
・鼻水が長い間続いている
・まずはアレルギーがあるのかどうか知りたい
・未就学(6歳未満)のお子さま
2、血液検査
血液検査を受けて頂くと、ご自身のもっているアレルギーについて詳しく調べることができます。
スギやヒノキなどの花粉だけでなく、その他にもたくさんの項目があります。
・どれくらいの強さのアレルギー体質なのか
・具体的な項目について、アレルギーの有無
・各項目のアレルギー反応の強さ
がわかります。
1項目から検査可能で最大13項目まで調べられます。
1週間程度で検査の結果が出ます。
どれを選んだらよいかわからない…という方には、代表的な9つの項目をおすすめしております。
【スギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ・カモガヤ・犬・猫・ハウスダスト・ダニ】
~こんな方におすすめ~
・何のアレルギーをもっているか、詳しく調べたい
・季節ごとの花粉症対策、アレルギー対策をきちんとしたい
・何の花粉にどのくらいの強さで反応するのか知りたい
・食物アレルギーの可能性がある
・アレルギーの原因を特定して舌下免疫療法を行いたい
・6歳以上の方(小学生以上)
食物アレルギーについてFOOD ALLERAGIES
血液検査による食物アレルギー診断を実施
01STEP-1アレルギー診断について
食物アレルギーの診断には様々な検査が行われておりますが、当院では血液検査を実施しております。食物アレルギーでは、「即時型」というIgEというたんぱく質を介したアレルギーが代表的で、血液検査で卵黄や小麦など特定のアレルゲンに対するIgEの量(RAST)を調べています。一度に13項目まで調べる(定量検査)ことができますので、問診の上、必要な項目を選んでいきます。「View39」や「MAST36」という、一度に36、または39抗原に対してRASTを測定できるものもあります。一見メリットが大きいようにもみえますが、項目が決まっているため調べたいものが入っていなかったり、測定精度が定量検査よりも劣るため、検査結果の判断が難しく、当院では採用しておりません。
血液検査での留意点
血液検査で注意をしなければいけないのは、「数値が上昇しているからといって食物アレルギーとは限らない」ということです。値が上がっていても、実際にはその食べ物を食べても何の症状も出ないこともあり、「食物アレルギーなのでこの食べ物を除去しましょう」とする必要は全くありません。
みんなと楽しく同じ食事を食べる機会を奪いかねず、結果の評価、検査の意義は主治医とよく相談する必要があります。
02STEP-2「アレルギーの可能性があるかも」と思ったらまずはご相談下さい。
血液検査は、実際に食べて何か症状がでた場合に、それがアレルギー反応かどうか判断するための「参考」材料です。そのため、「症状はないけど念のため調べたい」「親がアレルギーだから調べておきたい」「まだ食べたことがないけど、あらかじめ食物アレルギーを知っておきたい」という理由で血液検査を受けることはできません。診察の際には、いつ、どのようなものを食べて、その後どれくらいでどのような症状がでたのかをお伺いします。ご自宅での様子をメモなどにまとめておくとよいでしょう。
「これを食べたらこんな症状がでたからアレルギーにちがいない」といって不必要な除去をしていることもあります。「アレルギーの可能性があるかも」と思ったらまずはご相談下さい。
血液検査を希望される方全員に血液検査を実施するわけではありませんのでご理解の程よろしくお願いいたします。
~よくあるアレルゲン一覧~
ホコリ・動物
粒子が小さく軽いので、空気中に舞い上がって吸い込みやすいのが特徴。空気清浄機の使用、布団をこまめに干す、掃除機でしっかり掃除をするなど、季節を問わず対策が必要です。ハウスダストの中に含まれるダニがアレルギーの主な原因となります
秋頃になると、それまでに増えた死がいやふんがが家の中のホコリにまざったり、布団や家具に残ったりして、アレルギー症状がひどくなる傾向にあります。
ペットとして飼っている方は、これらがほこりの中にまざり、いわゆるハウスダストの中身のひとつとなってしまいます。
ネコと遊んだらくしゃみや鼻水が止まらなくなってしまった…という方は、一度検査してみてはいかがでしょうか。
イヌと同じく、だ液やフケなどがアレルギー症状のとなります。
しかし中には、モルモットの毛やフケを吸い込むことでアレルギー症状が出てしまう人もいます。くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみのほか、ひどいと喘息のような症状が出ることも。
フンもアレルギーの原因になってしまうため、さわったり世話をしたりするときはマスクを着け、終わったら手洗いうがいをこころがけましょう。
フンに含まれるたんぱく質は、吸い込み続けると「過敏性肺炎」を引き起こすおそれがあり、咳や痰、さむけ、発熱、だるさ、呼吸困難などの症状が出ることも。
また、羽毛や、ハトが媒介するダニやシラミは、気管支喘息の原因になります。咳などのほか、ひどいときは呼吸困難になる恐れもあります。
ほかにも、トキソプラズマやクリプトコッカス、オウム病など様々な病原菌をもっているため、注意が必要です。
神社やお寺の境内のほか、住宅街でもよく見かけますが、フンなどの掃除をする際はマスク・手洗いうがいをしましょう。
当院では「セキセイインコの羽毛」「セキセイインコのフン」の2項目に分けて調べることができます。
くしゃみや鼻水、目のかゆみといった花粉症のような症状のほか、フケやフンなどを吸いこみ続けると「過敏性肺炎」になってしまうおそれも。
かわいらしい見た目でペットとしても人気の高いセキセイインコですが、飼い始めたらなんだか調子が悪い…という方は一度検査を受けてみましょう。
しかしハムスターアレルギーのある方は、フケやだ液、フンや尿によって鼻水や鼻づまり、目や皮膚のかゆみ、咳などのアレルギー症状が出ることがあります。
特に毛づくろいの際に抜け落ちた毛にだ液が付き、それに反応することも。また、噛まれるとアナフィラキシーショックという重篤な状態になる可能性があり、注意が必要です。
お世話をするときは、マスクやゴーグル、使い捨てビニール手袋を使い、ハムスターのストレスにならない程度にこまめにお掃除をしましょう。
実験に使用したり、そのために飼育・販売したりするケースが多いのではないでしょうか。
こうした場面では、専用の作業着やゴーグル、手袋・マスクを着用することがほとんどでしょう。
しかし、万が一噛まれたり、引っかかれたりすると、アナフィラキシーショックを引き起こす恐れも。もしマウスに関わるお仕事をしていて、アレルギーを疑うような症状が出た場合、一度検査してみましょう。
当院では「ラット」と「マウス」の2項目を調べられます。
しかし、羽やはがれおちた皮膚、ふんなどが原因でアレルギー症状が出ることがあり、いわゆる「卵アレルギー」「鶏肉アレルギー」とは異なります。
また、ニワトリではありませんが、羽毛布団やダウンコートで鼻水やくしゃみが止まらなくなってしまうという方は、ハウスダストやダニの他に「アヒル」や「ガチョウ」の羽も原因のひとつかもしれません。
いわゆる「鳥アレルギー」かどうか調べてみましょう。当院では「ニワトリ羽毛」「アヒル羽毛」「ガチョウ羽毛」「セキセイインコのふん」「セキセイインコの羽毛」の項目を調べられます。
死がいやフンが原因アレルゲンとなります。通常は夏に繁殖しますが、年間を通じて繁殖します。
高温多湿の場所や、空気のよどんだ所で繁殖しやすいため、エアコンを効かせ窓を閉め切ってしまう夏場は特に注意が必要です。風呂場などの水回りのほか、エアコンの内部、炊事後の台所なども「結露」が発生しやすいためカビが特に発生します。
免疫力が低下した状態で空中を浮遊するカビの胞子を吸い込むと、鼻炎症状やアトピー、ぜんそく、過敏性肺炎などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。他にも、アレルギーではありませんがカビによる感染症として水虫やカンジダ症などがあります。
カビの繁殖を抑えるには、壁や水回りの定期的なふき取り、洗濯槽のお手入れ、湿度を40~60%程度に保つ、などの方法がが挙げられます。また、ほこりの中には必ずカビ胞子があり、ダニの餌になってしまいます。湿気が多くダニやカビが増えやすい夏に症状が出る方は、「ハウスダスト」「ダニ」と併せて「カビ」の検査もしてみましょう。
ゴムの木の樹液に含まれるタンパク質が原因であり、症状としてはじんま疹、ぜんそく発作、アナフィラキシーショックなど、比較的すぐに現れることが特徴です。特にじんま疹は、触れた部分だけでなく全身に広がることも。
また、ラテックスアレルギーのある方は、バナナやアボカド、キウイなどの特定の食品を食べても同様の症状が出ることがあります。これはそれぞれのタンパク質の種類が似ていることが原因で、「ラテックス・フルーツ症候群」と呼ばれています。
また、ホルムアルデヒドは無色で刺激臭があり、揮発性が高いことが特徴です。合板やビニルクロスなど建築資材の接着剤として使われることがあり、「シックハウス症候群」の原因のひとつと言われています。2005年頃から使用が制限されるようになりました。
ホルマリンアレルギーの症状としては、ぜんそくや呼吸困難、じんま疹などが代表的です。また、アレルギーがなくとも、触れたり吸い込んだりすると目やのどに刺激を感じることがあるため、心配な方は血液検査をしてみましょう。
花粉系
スギは北海道南より、沖縄県を除く日本全国に生育しており、関東・東海・近畿では特に花粉の量が多いです。飛散時期は1月~4月。非常に軽く、風に乗って遠くまで運ばれるのがやっかいなところです。
意外にも日本では戦後になって初めて報告された病気で、これは戦後の木材不足を解消するために、多くの天然林が生長の早いスギに植え替えられ、スギの人工林が増えたためといわれています。
対策としては、飛散開始の少し前からアレルギー薬を飲むのがポイント。より効果が高いと言われています。また、当院では舌下免疫療法やレーザー治療も行っております。
ほかにも、マスクや眼鏡をする、外から帰ったら服についた花粉をしっかり落とす、なども重要です。
なお、スギ花粉症の方は、ヒノキ花粉にも反応して症状を起こす方が多く見られます。対策はヒノキ花粉が落ち着く5月中旬ごろまで続けるとよいでしょう。
スギ花粉症の方の約7割がヒノキ花粉にも反応すると言われています。これは、スギとヒノキの花粉の作りが似ているからです。飛散時期の重なる3月~5月初旬は、重症化しやすいと言えます。
対策はスギと同じく、抗アレルギー薬を飲んだり、マスクや眼鏡をつける、花粉の付着しにくい洋服を着るなどです。
花粉の飛散時期は、8月~10月。夏の終わりくらいから鼻や目の調子が良くないと感じたら、一度検査を受けてみましょう。
背丈が低いため花粉はそれほど遠くまで飛ばず、まずは近づかないことが大切です。スギやヒノキに比べ認知度が低く、対策が不十分になりがちなので注意が必要です。
なお、ブタクサの花粉にアレルギーがある方の中には、メロンやスイカを食べると口の中やのどが痒くなってしまう方がいます。原因は、ブタクサ花粉とこれらの果物のタンパク質の作りが似ているから。「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれています。
これらの果物は、加熱すれば食べてもかゆみが出にくいと言われていますが、心当たりのある方は一度果物のアレルギーも調べてみましょう。
道路わきや河川敷、野原など身近な場所に生えている多年草で、背丈は1~1.5mほど。花粉の飛散時期は、東海地方では9月~10月です。
飛散距離はそこまで広くないため、アレルギーのある方はまずは近づかないようにしましょう。
なお、ヨモギの花粉にアレルギーがある方の中には、セロリやニンジンを食べると口の中やのどが痒くなる方がいます(口腔アレルギー症候群、OAS)。
牧草として栽培されることが多く、また道路や河川敷にも自生しています。
背丈は1m前後と、花粉はそれほど広い範囲には飛びませんが、いったん症状が出ると目や鼻だけでなく、皮膚のかゆみなど全身症状が出やすいため注意が必要です。
日本では明治時代以降に全国に広がりました。
4月中旬から花粉が飛び始め、5月前半にピークを迎え、6月頃まで飛散が続きます。一日の中では、気温が上がる昼過ぎと、日中飛んだ花粉が地面に落ちてくる夕方の2回、特に症状がひどくなってしまいます。
対策としてはスギやヒノキと同じく、マスクや眼鏡をする、外から帰ったら服についた花粉をしっかり落とす、アレルギーの薬を飲むなどを心がけましょう。
また、シラカバアレルギーの方の中には、リンゴやモモ、サクランボなどバラ科の果物を食べると口やのどがかゆくなる方がいます。(口腔アレルギー症候群、OAS)。他にも、大豆やキウイ、アーモンド、ピーナッツなどでもかゆみが起こる場合があります。
これらの果物は、加熱すれば食べてもかゆみが出にくいと言われています。
特に養蚕が盛んだった時代に多く栽培されていました。現在は手入れのされていないクワ畑が森のようになっていることも。アレルギーのある方は、あまり近づかないようにしましょう。
和名は「鉄葎」といい、一度繁殖してしまうとツルが固く駆除が大変です。
なお、「アカシアはちみつ」のアカシアは、正式にはハリエンジュ属の「ハリエンジュ」(別名ニセアカシア)といい、日本には明治時代に輸入されました。こちらは花が白く、当院で検査できるアカシアとは種類が違うので、注意が必要です。
しかしいずれのタンポポも花粉をほとんど飛ばさないため、花粉症を引き起こすことはほぼないと考えてよいでしょう。
ニレにもいくつか種類がありますが、ほとんどは春に花を咲かせ、風に乗って花粉を飛ばします。
乾草のような甘い香りがし、芝や観葉植物としても育てられることがあります。ヨーロッパ原産で、日本では明治時代初期に牧草として輸入され、全国に広がりました。
ヒノキの花粉の時期が終わっても症状が続く場合、イネ科の花粉症の可能性がありますので検査をおすすめします。
12~2月に開花し、1月~4月頃花粉を飛ばします。スギ・ヒノキの飛散時期と重なるため、認知度の低さもあって見過ごされがちです。
しかし、スギ花粉症の方の約20%はハンノキにもアレルギーがあるとの調査結果もあります。また、ハンノキアレルギーの方の約50%は、リンゴやモモ、メロン、キウイなど多くの食品について口腔アレルギー症候群(OAS)を持っているといわれており注意が必要です。
現在では小鳥のえさなど、飼料用として栽培されるほか、水田に米と混ざって生えていることもあります。
他のイネ科の植物(カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤ)と同じく、初夏~秋にかけて注意が必要です。
花粉の飛散時期は6月~8月。背丈が50㎝~1mと低いため、花粉の飛散距離はそれほど広くありませんが、ほかのイネ科植物より花粉の量が多いことが特徴です。
オオアワガエリにアレルギーのある方は、メロンやスイカ、トマトなどの食べ物で口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすことがあります。
静岡県ではあまり見られませんが、瀬戸内地方では栽培が盛んでこの地域に特徴的な花粉症といえます。
特に小豆島では、栽培の歴史が長く、初夏にアレルギー症状が出る方の実に20%がオリーブ花粉症と言われています。
イネ科(特にカモガヤ)と飛散時期が重なるため、どちらに反応しているのか判断がつかない場合はそれぞれ血液検査を受けてみましょう。
花粉の飛散時期は4月~5月と、スギ・ヒノキと重なるため見過ごされがちです。
また、ブナ・ハンノキ・シラカンバといった「ブナ目」の植物は、花粉の作りが似ているため、どれかにアレルギーがあると他のブナ目の花粉にも反応する可能性があります。
さらに、ブナ目の花粉にアレルギーがある方は、バラ科の果物での口腔アレルギー症候群(OAS)にも注意が必要です。
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