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静岡の花粉症の特徴

静岡は全国的に見ても花粉が多い地域です。特に他県から引っ越して来た方は、2~3年以内に花粉症を発症することが多いと言われています。
鼻がグズグズする、鼻がつまって集中できない、目や皮膚がかゆい…など、花粉症でお困りでしたらぜひ一度ご相談ください。花粉が飛び始める2週間ほど前から治療を開始すると効果的です。

症状

くしゃみ、鼻づまり、かゆみ、鼻みず
皮膚
顔や首の赤み、かゆみ
頭痛、頭が重い、ぼーっとする
かゆみ
のど
かゆみ、イガイガ、咳や痰、のどの不快感

原因

植物から飛散する花粉が原因です
※最近では黄砂やPM2.5が花粉と混ざることで、より症状がひどくなる傾向にあります。

スギ(1月~4月)


1月ごろから飛散しはじめ、2-4月にピークを迎えます。飛散量が多く飛散距離も長いため、日本で最も多い花粉症の原因です。静岡は他県に比べ、スギ花粉がかなり多い地域です。

ヒノキ(3月~5月)


飛散時期はスギより少し遅れて、3-5月。スギと同じく飛散距離が長いため広範囲にひろがります。スギ花粉症とヒノキ花粉症の両方を持っている人も多く、その場合はゴールデンウイークくらいまで症状が続きます。

カモガヤ(5月~9月)


カモガヤはイネ科の雑草で、夏の花粉症の代表格です。花粉の飛散時期は5~9月で、牧草として栽培されているほか、河川敷や公園や空き地などにも生育しています。

ヨモギ(9月~10月)


キク科の植物で、とても繁殖力が強いことが特徴です。雑草の生い茂る河川敷、空き地などに生えていることが多いので、近くを通るときは注意が必要です。

ブタクサ(8月~10月)


秋の花粉の代表格。花粉の飛散時期は日本ではスギ、ヒノキに次いで代表的なものと言われています。飛散距離が短いため、近づかなければ大丈夫です。

花粉症の治療について

毎年飲んでいて効果がある薬がありましたら同じ薬を処方しますので問診票にご記入ください。

内服薬

主にかゆみ・くしゃみ・鼻水を抑えるタイプと、
主に鼻づまりを抑えるタイプのお薬があります。
症状が特にひどい時に追加で飲むお薬もあります。

点鼻薬(鼻スプレー)

鼻の中に直接吹き付けます。
全身作用がほとんど無いので、妊娠中・授乳中でも安心してお使い頂けます。

点眼薬(目ぐすり)

目のかゆみがある方は、点眼薬を処方します。
コンタクトレンズを付けたままで使える目薬もあります。症状がひどい場合に追加で使用する強めの点眼薬もあります。

漢方薬

妊娠、授乳中の方にも処方することがあります。

レーザー治療

5歳から可能です。

詳しくはこちら

飲み薬

・かゆみ、くしゃみ、鼻水を抑えるタイプ
・鼻づまりを抑えるタイプ
2つのタイプのお薬があります。薬によって強さが異なりますので症状にあわせて処方します。
特に症状がひどい時に追加で飲むお薬もあります。
車やバイクを運転される方、眠気が出やすい方には眠気が出づらいタイプの薬をお勧めしています。

点鼻薬(鼻スプレー)

液体タイプと、粉末タイプのお薬があり、どちらも鼻の中に直接吹き付けて使います。
全身作用がほとんど無いので、副作用を気にすることなく使用できます。妊娠中・授乳中の方
もお使いいただけます。
市販の点鼻薬は一時的に症状を改善させることがありますが、使い続けると「薬剤性鼻炎」という病気を引き起こすことがあります。そのため当院では医師が処方した点鼻薬を使用することをお勧めしております。

点眼薬(目ぐすり)

目のかゆみがある方には点眼薬を処方いたします。目の周囲が腫れている場合は眼軟膏を処方します。
特に目のかゆみがひどい場合に使用は効果の強いタイプのものを処方します。
なお、コンタクトレンズを使用している方は、スタッフまたは医師にお伝えください。

漢方薬

西洋薬が体質に合わない場合などには漢方薬を処方します。妊娠中・授乳中の方もお使いいただけます。
粉末タイプと錠剤タイプがありどちらも1日3回毎食前に服用します。漢方薬にしては珍しく即効性があります。
漢方薬を希望される方は受付でスタッフにお伝えいただくか問診票にご記入ください。
また、毎年飲んでいて効果がある薬がありましたら、同じものを処方しますので問診票にご記入ください。

内服治療(飲み薬の治療)
抗ヒスタミン薬 花粉症の治療で最も一般的に使われるお薬です。かゆみ・くしゃみ・鼻水を抑える効果があります。
効果が強いものや弱いもの、1日1回飲むタイプや2回飲むタイプ、眠気が出にくいものや口の渇きが少ないものなど、たくさんの種類があります。
当院では、患者さまの症状の強さや生活習慣にあったお薬を処方しています。
当院でよく処方する薬(カッコはジェネリック名):アレグラ(フェキソフェナジン)、アレロック(オロパタジン)、エバステル(エバスチン)、クラリチン(ロラタジン)、ザイザル、タリオン、ディレグラ、デザレックス、ビラノア、ルパフィン など
抗ロイコトリエン薬 鼻づまりを抑える効果のあるお薬です。鼻がつまってしまう方に、抗ヒスタミン薬と一緒に処方しております。
気管を広げる効果もあるため、鼻づまり解消のほか、咳や喘息などの治療に使用されることもあります。
当院でよく処方する薬:キプレス(モンテルカスト)・シングレア・オノン(プランルカスト)など
漢方薬 漢方薬にもさまざまな種類があり、患者さまそれぞれの体質にあったものを保険診療で処方しております。妊娠中の方、授乳中の方、花粉症の薬で眠くなってしまう方はご相談下さい。
当院でよく処方する薬:小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄湯(まおうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)など
ステロイド 花粉症の症状が特にひどいときに、上記の抗ヒスタミン薬・抗ロイコトリエン薬・漢方薬に追加して飲むことのできるお薬です。
効果が強いため、短期間もしくは頓服で処方します。
当院でよく処方する薬:セレスタミン、リンデロン、プレドニンなど
外用治療
点眼薬(目ぐすり) 花粉症による目のかゆみがある方へ処方しております。
点眼薬にも、日常使いできる抗ヒスタミン薬のタイプと、かゆみが特にひどい時に使うステロイド入りのタイプの2種類があります。コンタクトレンズをつけたまま使用できるものもあります。
当院では、かゆみの強さやコンタクトレンズをつけているかなど、患者さまにあった点眼薬を処方しております。
※なお、緑内障の方にはステロイド点眼薬は使用できませんのでご注意ください。
当院でよく処方する薬:パタノール、アレジオン、ケトチフェン、フルメトロンなど
点鼻薬(鼻スプレー) 鼻の穴の中に直接噴霧して使います。液体タイプのものと粉末(パウダー)タイプのものがあり、お化粧くずれが気になる女性の方などには粉末タイプが人気です。粉末タイプは刺激が少ないため敏感になっている方でも使用できます。
いずれのタイプも、全身作用がほとんどないため副作用を気にすることなく使用できます。飲めるお薬の少ない妊娠中・授乳中の方にも、有効な治療手段としてお使いいただけます。
点鼻薬は2歳から使用できるものがあります。
当院でよく処方する薬:ナゾネックス、アラミスト、エリザス、フルナーゼなど

薬の相性について

アレルギーの薬はいろいろな強さ・効果のものがあります。
最初に処方したお薬が合わなければ、他のお薬・内服の仕方をご提案しますのでお知らせ下さい。

例えば…
・薬を飲んだら眠くなってしまった
・薬を飲んでも鼻水が止まらない、くしゃみが止らない
・鼻づまりがひどくて治らない

薬が効かない時は、自己中断なさらずに医師にご相談ください。
花粉症とうまく付き合っていくために大切なのは、ご自身にあったお薬に出会うことです。粘り強く治療をしていきましょう。

妊娠中・授乳中の方のための花粉症治療

内服薬・飲み薬

妊娠中・授乳中の方は、基本的に内服薬は第一選択とはなりません。
しかし症状が強い方や、安定期に入っている方などには必要な分の内服薬を処方します。

点鼻薬(鼻スプレー)

鼻の中に直接吹き付けます。
鼻の局所に作用し全身作用がほとんど無いので、妊娠中・授乳中の方にも処方することがあります。

点眼薬(目ぐすり)

目のかゆみがある方に処方します。

漢方薬

飲み薬の第一選択として、漢方薬を処方しています。妊娠への影響が少なく安全にお使い頂けます。1日3回内服し、漢方薬にしては珍しく即効性が期待できます。

レーザー治療

妊娠中・授乳中であってもレーザー治療は可能です。服用できる薬に制限があることから、出産予定の方には特におすすめです。

詳しくはこちら

ゴーグルやマスクで花粉対策

アレルギー対策では原因を除去することが大切です。メガネを選ぶときは周りにガードが付いているものにするとよいですが普通の眼鏡でも花粉から目を守ることができます。外出する際は眼鏡を忘れずに装着するようにしましょう。コンタクトレンズを使用している方はレンズと目の間に花粉が入り込んでしまうので出来ればシーズン中はメガネにしましょう。

マスクは鼻と口をすべて覆うことのできるものがおススメです。マスクをしても鼻を出していては効果がありませんので注意しましょう。外出の際には必ずつけるようにしましょう。

鼻うがいで花粉対策

鼻の中を生理食塩水で洗うことで花粉を洗い流すことができます。妊娠中でも可能です。当院ではハナクリーンという洗浄器をおすすめしています。

天気による花粉症対策

スギは気温が高くなると花が咲いて花粉がたくさん飛びます。空気が乾燥すると花粉が舞いやすく風が強いと広い範囲に花粉がとびます。
雨が降った翌日で風の強い晴れた日は花粉が特にたくさん飛びますので要注意です。

時間帯による花粉症対策

1日のうちで、花粉が多くなるのは11時~15時と17時~20時です。日中気温があがるとスギ花粉が飛散し夕方になると上空の花粉が地表付近に落ちてくるためです。
この時間帯はしっかりマスク、ゴーグルなどで花粉対策をしましょう。早朝の飛散量は比較的少ないので外での作業は出来るだけ早い時間に済ませておくことが大切です。

夏にも秋にも花粉は飛びます

花粉症と聞くとまず春のスギ花粉を思い浮かべますが、季節が変われば花粉の種類も異なります。夏になるとカモガヤ、ハルガヤなどのイネ科の雑草の花粉がとびます。秋になるとブタクサなどのキク科の花粉が飛びます。

アレルギー検査

1、鼻汁(鼻水)検査

鼻水をとって、アレルギー反応が出ているかどうか調べる検査です。

風邪の初期とアレルギー(花粉症)の症状は似ているため、原因を調べることが重要です。
この検査をすることで、鼻水や鼻づまりの原因が風邪なのかアレルギー(花粉症)なのかが分かります。結果は数日で出ます。
鼻水を綿棒でこすり取るだけなので、小さなお子様でも安心して検査を受けることができます。血液検査と違って痛みもありません。
※費用は3割負担の方で500円程度です。

正式には「鼻汁中好酸球検査」といい、アレルギー反応がでているときに鼻水の中に増える「好酸球」という白血球を見つける検査です。
この「好酸球」の数が多ければアレルギー(花粉症)と考えることができます。

~こんな方におすすめ~

・鼻水が出ているが、風邪なのか花粉症なのかわからない
・鼻水が長い間続いている
・まずはアレルギーがあるのかどうか知りたい
・6歳未満のお子さま

2、血液検査

血液検査を受けて頂くと、ご自身のもっているアレルギーについて詳しく調べることができます。
スギやヒノキなどの花粉だけでなく、その他にもたくさんの項目があります。

・どれくらいの強さのアレルギー体質なのか
・具体的な項目について、アレルギーの有無
・各項目のアレルギー反応の強さ
がわかります。

1項目から検査可能。最大13項目まで調べられます。
どれを選んだらよいかわからない…という方には、代表的な9つの項目をおすすめしております。
【スギ・ヒノキ・ブタクサ・ヨモギ・カモガヤ・犬・猫・ハウスダスト・ダニ】

~こんな方におすすめ~

・何のアレルギーをもっているか、詳しく調べたい
・季節ごとの花粉症対策、アレルギー対策をきちんとしたい
・何の花粉にどのくらいの強さで反応するのか知りたい
・食物アレルギーの心配がある
・アレルギーの原因を特定して舌下免疫療法を行いたい

~よくあるアレルゲン一覧~

ホコリ・動物

家の中のダニの死がいやふん、ペットのふけ、ゴキブリや蛾、カビなどがまざりあったものです。
粒子が小さく軽いので、空気中に舞い上がって吸い込みやすいのが特徴。空気清浄機の使用、布団をこまめに干す、掃除機でしっかり掃除をするなど、季節を問わず対策が必要です。

アレルギーの原因で最も多いのが、ダニ。地域により多少異なりますが、春頃より増えはじめ、湿気の多い夏に繁殖のピークを迎えます。
秋頃になると、それまでに増えた死がいやふんがが家の中のホコリにまざったり、布団や家具に残ったりして、アレルギー症状がひどくなる傾向にあります。

イヌアレルギーがある方は、イヌのだ液やフケなどによってアレルギー症状が出てしまいます。
ペットとして飼っている方は、これらがほこりの中にまざり、いわゆるハウスダストの中身のひとつとなってしまいます。

ネコアレルギーを持っている方は、ほかの動物と比べ、アレルギー症状が強く出ると言われています。
ネコと遊んだらくしゃみや鼻水が止まらなくなってしまった…という方は、一度検査してみてはいかがでしょうか。
イヌと同じく、だ液やフケなどがアレルギー症状のとなります。

動物園でふれあったり、飼育が簡単なためペットとして飼ったりされるモルモット。
しかし中には、モルモットの毛やフケを吸い込むことでアレルギー症状が出てしまう人もいます。くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみのほか、ひどいと喘息のような症状が出ることも。
フンもアレルギーの原因になってしまうため、さわったり世話をしたりするときはマスクを着け、終わったら手洗いうがいをこころがけましょう。

ハトは平和のといわれますが、そのフンや羽毛はアレルギーの原因になります。
フンに含まれるたんぱく質は、吸い込み続けると「過敏性肺炎」を引き起こすおそれがあり、咳や痰、さむけ、発熱、だるさ、呼吸困難などの症状が出ることも。
また、羽毛や、ハトが媒介するダニやシラミは、気管支喘息の原因になります。咳などのほか、ひどいときは呼吸困難になる恐れもあります。
ほかにも、トキソプラズマやクリプトコッカス、オウム病など様々な病原菌をもっているため、注意が必要です。
神社やお寺の境内のほか、住宅街でもよく見かけますが、フンなどの掃除をする際はマスク・手洗いうがいを徹底したいですね。

インコ(特にセキセイインコ)の羽毛やフケ、フンによってアレルギー症状が引き起こされることがあります。
当院では「セキセイインコの羽毛」「セキセイインコのフン」の2項目に分けて調べることができます。
くしゃみや鼻水、目のかゆみといった花粉症のような症状のほか、フケやフンなどを吸いこみ続けると「過敏性肺炎」になってしまうおそれも。
かわいらしい見た目でペットとしても人気の高いセキセイインコですが、飼い始めたらなんだか調子が悪い…という方は一度検査を受けてみましょう。

ペットとして人気のハムスター。
しかしハムスターアレルギーのある方は、フケやだ液、フンや尿によって鼻水や鼻づまり、目や皮膚のかゆみ、咳などのアレルギー症状が出ることがあります。
特に毛づくろいの際に抜け落ちた毛にだ液が付き、それに反応することも。また、噛まれるとアナフィラキシーショックという重篤な状態になる可能性があり、注意が必要です。
お世話をするときは、マスクやゴーグル、使い捨てビニール手袋を使い、ハムスターのストレスにならない程度にこまめにお掃除をしましょう。

マウスもその他の動物と同じく、毛やふん、唾液がアレルギーの原因になります。
実験に使用したり、そのために飼育・販売したりするケースが多いのではないでしょうか。
こうした場面では、専用の作業着やゴーグル、手袋・マスクを着用することがほとんどでしょう。
しかし、万が一噛まれたり、引っかかれたりすると、アナフィラキシーショックを引き起こす恐れも。もしマウスに関わるお仕事をしていて、アレルギーを疑うような症状が出た場合、一度検査してみましょう。
当院では「ラット」と「マウス」の2項目を調べられます。

ご自宅の庭や学校で飼っている、家の近くに養鶏場がある…など、意外と触れ合う機会があるニワトリ。
しかし、羽やはがれおちた皮膚、ふんなどが原因でアレルギー症状が出ることがあり、いわゆる「卵アレルギー」「鶏肉アレルギー」とは異なります。
また、ニワトリではありませんが、羽毛布団やダウンコートで鼻水やくしゃみが止まらなくなってしまうという方は、ハウスダストやダニの他に「アヒル」や「ガチョウ」の羽も原因のひとつかもしれません。
いわゆる「鳥アレルギー」かどうか調べてみましょう。当院では「ニワトリ羽毛」「アヒル羽毛」「ガチョウ羽毛」「セキセイインコのふん」「セキセイインコの羽毛」の項目を調べられます。

ヤギの上皮にアレルギーを示すことがあります。

ヒツジのフケがアレルギーの原因になることがあります。

ウマのフケがアレルギーを引き起こします。

ウシのフケがアレルギーの原因になることがあります。

ミツバチに刺されることで鉢毒アレルギーを引き起こします。アナフィラキシーショックをおこすこともあるので要注意です。

ヤブカに刺された際の注入される唾液に対しアレルギーを起こします。

生活環境中の重要なアレルゲンのひとつです。
死がいやフンが原因アレルゲンとなります。通常は夏に繁殖しますが、熱源のある場所では年間を通じて繁殖します。

ガ古いおうちなどでは蛾が発生していることがあり鱗粉がアレルギーを引き起こします。

お風呂や水回りなどに発生して私たちを困らせる一方、発酵食品や抗生物質などにも使われ、生活と切っても切り離せない「カビ」。カビは地球上に約7万種類、家の中だけでも約360種類もいると言われています。
高温多湿の場所や、空気のよどんだ所で繁殖しやすいため、エアコンを効かせ窓を閉め切ってしまう夏場は特に注意が必要です。風呂場などの水回りのほか、エアコンの内部、炊事後の台所なども「結露」が発生しやすいためカビが特に発生します。
免疫力が低下した状態で空中を浮遊するカビの胞子を吸い込むと、鼻炎症状やアトピー、ぜんそく、過敏性肺炎などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。他にも、アレルギーではありませんがカビによる感染症として水虫やカンジダ症などがあります。
カビの繁殖を抑えるには、壁や水回りの定期的なふき取り、洗濯槽のお手入れ、湿度を40~60%程度に保つ、などの方法がが挙げられます。また、ほこりの中には必ずカビ胞子があり、ダニの餌になってしまいます。湿気が多くダニやカビが増えやすい夏に症状が出る方は、「ハウスダスト」「ダニ」と併せて「カビ」の検査もしてみましょう。

ゴム手袋や絆創膏、風船など、天然ゴム製品に触れることで起こるアレルギーです。
ゴムの木の樹液に含まれるタンパク質が原因であり、症状としてはじんま疹、ぜんそく発作、アナフィラキシーショックなど、比較的すぐに現れることが特徴です。特にじんま疹は、触れた部分だけでなく全身に広がることも。
また、ラテックスアレルギーのある方は、バナナやアボカド、キウイなどの特定の食品を食べても同様の症状が出ることがあります。これはそれぞれのタンパク質の種類が似ていることが原因で、「ラテックス・フルーツ症候群」と呼ばれています。

解剖などで使用するイメージのあるホルマリン。これは「ホルムアルデヒド」というガスの水溶液であり、医療関係の学生さんは解剖実習で接することが多いので注意が必要です。
また、ホルムアルデヒドは無色で刺激臭があり、揮発性が高いことが特徴です。合板やビニルクロスなど建築資材の接着剤として使われることがあり、「シックハウス症候群」の原因のひとつと言われています。2005年頃から使用が制限されるようになりました。
ホルマリンアレルギーの症状としては、ぜんそくや呼吸困難、じんま疹などが代表的です。また、アレルギーがなくとも、触れたり吸い込んだりすると目やのどに刺激を感じることがあるため、心配な方は血液検査をしてみましょう。

花粉系

日本で最も代表的なアレルゲンです。日本人の4人に1人がスギ花粉症であるといわれ、今後さらに増えると考えられます。
スギは北海道南より、沖縄県を除く日本全国に生育しており、関東・東海・近畿では特に花粉の量が多いです。飛散時期は1月~4月。非常に軽く、風に乗って遠くまで運ばれるのがやっかいなところです。
意外にも日本では戦後になって初めて報告された病気で、これは戦後の木材不足を解消するために、多くの天然林が生長の早いスギに植え替えられ、スギの人工林が増えたためといわれています。
対策としては、飛散開始の少し前からアレルギー薬を飲むのがポイント。より効果が高いと言われています。また、当院では舌下免疫療法やレーザー治療も行っております。
ほかにも、マスクや眼鏡をする、外から帰ったら服についた花粉をしっかり落とす、なども重要です。
なお、スギ花粉症の方は、ヒノキ花粉にも反応して症状を起こす方が多く見られます。対策はヒノキ花粉が落ち着く5月中旬ごろまで続けるとよいでしょう。

スギに続いてやってくる、ヒノキ花粉。飛散時期は、東海地方ではスギが1月初旬~5月初旬なのに対し、ヒノキは3月初旬~5月中旬です。
スギ花粉症の方の約7割がヒノキ花粉にも反応すると言われています。これは、スギとヒノキの花粉の作りが似ているからです。飛散時期の重なる3月~5月初旬は、重症化しやすいと言えます。
対策はスギと同じく、抗アレルギー薬を飲んだり、マスクや眼鏡をつける、花粉の付着しにくい洋服を着るなどです。

秋はイネ科・キク科の植物の花粉に注意が必要な時期。中でもキク科のブタクサは、道路わきや公園、河川敷、空き地などどこにでも自生している雑草で、スギ・ヒノキに次いで代表的な花粉です。
花粉の飛散時期は、8月~10月。夏の終わりくらいから鼻や目の調子が良くないと感じたら、一度検査を受けてみましょう。
背丈が低いため花粉はそれほど遠くまで飛ばず、まずは近づかないことが大切です。スギやヒノキに比べ認知度が低く、対策が不十分になりがちなので注意が必要です。
なお、ブタクサの花粉にアレルギーがある方の中には、メロンやスイカを食べると口の中やのどが痒くなってしまう方がいます。原因は、ブタクサ花粉とこれらの果物のタンパク質の作りが似ているから。「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれています。
これらの果物は、加熱すれば食べてもかゆみが出にくいと言われていますが、心当たりのある方は一度果物のアレルギーも調べてみましょう。

ブタクサと同じくキク科の植物で、秋の花粉としても代表的です。見た目もブタクサと似ていますが、繁殖力が強く、ブタクサより花粉の量が多いことが特徴です。
道路わきや河川敷、野原など身近な場所に生えている多年草で、背丈は1~1.5mほど。花粉の飛散時期は、東海地方では9月~10月です。
飛散距離はそこまで広くないため、アレルギーのある方はまずは近づかないようにしましょう。
なお、ヨモギの花粉にアレルギーがある方の中には、セロリやニンジンを食べると口の中やのどが痒くなる方がいます(口腔アレルギー症候群、OAS)。

イネ科の多年草で、花粉の飛散時期は5月~8月。初夏から秋までの代表的な花粉症アレルゲンです。
牧草として栽培されることが多く、また道路や河川敷にも自生しています。
背丈は1m前後と、花粉はそれほど広い範囲には飛びませんが、いったん症状が出ると目や鼻だけでなく、皮膚のかゆみなど全身症状が出やすいため注意が必要です。
日本では明治時代以降に全国に広がりました。

高原などの気候が涼しい地域に多く生息するシラカバ。特に北海道では花粉症の原因の代表です。
4月中旬から花粉が飛び始め、5月前半にピークを迎え、6月頃まで飛散が続きます。一日の中では、気温が上がる昼過ぎと、日中飛んだ花粉が地面に落ちてくる夕方の2回、特に症状がひどくなってしまいます。
対策としてはスギやヒノキと同じく、マスクや眼鏡をする、外から帰ったら服についた花粉をしっかり落とす、アレルギーの薬を飲むなどを心がけましょう。
また、シラカバアレルギーの方の中には、リンゴやモモ、サクランボなどバラ科の果物を食べると口やのどがかゆくなる方がいます。(口腔アレルギー症候群、OAS)。他にも、大豆やキウイ、アーモンド、ピーナッツなどでもかゆみが起こる場合があります。
これらの果物は、加熱すれば食べてもかゆみが出にくいと言われています。

蚕のえさとして有名なクワ。落葉性の高木で、クワ科の中でさらに種類が分かれますが、花粉は秋を中心に飛散します。
特に養蚕が盛んだった時代に多く栽培されていました。現在は手入れのされていないクワ畑が森のようになっていることも。アレルギーのある方は、あまり近づかないようにしましょう。

カナムグラはアサ科の一年草で、ツルを長く伸ばすことが特徴です。花粉の飛散時期は8月~10月。ブタクサやヨモギと比べると花粉の飛散量が少ないようですが、意外にも街中にも生えていることが多いと言われています。
和名は「鉄葎」といい、一度繁殖してしまうとツルが固く駆除が大変です。

当院ではアカシア属の花粉について検査できます。アカシア属の中にもいろいろな種類がありますが、花粉の飛散時期はおおむね5月~6月頃です。代表的なものに、フランスのミモザ祭に使われる「フサアカシア」や、フサアカシアによく似た「ギンヨウアカシア」などがあります。
なお、「アカシアはちみつ」のアカシアは、正式にはハリエンジュ属の「ハリエンジュ」(別名ニセアカシア)といい、日本には明治時代に輸入されました。こちらは花が白く、当院で検査できるアカシアとは種類が違うので、注意が必要です。

キク科の植物で、日本中どこにでも繁殖しているタンポポ。生命力が強く、アスファルトの裂け目などにも咲いていますね。よく目にするセイヨウタンポポやシロバナタンポポ、カントウタンポポなど、タンポポにもたくさんの種類があり、当院では「タンポポ属」に属するものであれば検査できます。
しかしいずれのタンポポも花粉をほとんど飛ばさないため、花粉症を引き起こすことはほぼないと考えてよいでしょう。

ニレは見た目の良さなどから、街路樹や庭の木などに使われることが多いです。他にも川沿いなどに多く見られ、日当たりの良い場所でよく育ちます。
ニレにもいくつか種類がありますが、ほとんどは春に花を咲かせ、風に乗って花粉を飛ばします。

ハルガヤはカモガヤやオオアワガエリと同じく、イネ科の多年草です。5月~7月に開花し、初夏~秋にかけて花粉を飛ばします。
乾草のような甘い香りがし、芝や観葉植物としても育てられることがあります。ヨーロッパ原産で、日本では明治時代初期に牧草として輸入され、全国に広がりました。
ヒノキの花粉の時期が終わっても症状が続く場合、イネ科の花粉症の可能性がありますので検査をおすすめします。

ハンノキは北海道や北陸に多く見られる高木で、湿地や沼に生息します。近年では、むかし水田だったところに自生し繁殖することも。
12~2月に開花し、1月~4月頃花粉を飛ばします。スギ・ヒノキの飛散時期と重なるため、認知度の低さもあって見過ごされがちです。
しかし、スギ花粉症の方の約20%はハンノキにもアレルギーがあるとの調査結果もあります。また、ハンノキアレルギーの方の約50%は、リンゴやモモ、メロン、キウイなど多くの食品について口腔アレルギー症候群(OAS)を持っているといわれており注意が必要です。

イネ科ヒエ属の植物です。ひと昔、米が増産されるまでは、重要な主食でした。
現在では小鳥のえさなど、飼料用として栽培されるほか、水田に米と混ざって生えていることもあります。
他のイネ科の植物(カモガヤ、オオアワガエリ、ハルガヤ)と同じく、初夏~秋にかけて注意が必要です。

別名「チモシー」といい、明治時代にアメリカから北海道へ伝えられました。現在では全国の道端や河川敷、草むらなどに自生するほか、牧草として植えられるイネ科の多年草です。
花粉の飛散時期は6月~8月。背丈が50㎝~1mと低いため、花粉の飛散距離はそれほど広くありませんが、ほかのイネ科植物より花粉の量が多いことが特徴です。
オオアワガエリにアレルギーのある方は、メロンやスイカ、トマトなどの食べ物で口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こすことがあります。

料理などにもよく使われるオリーブは、モクセイ科の植物です。白く小さい花を咲かせますが、開花期間は1~2週間と短く、花粉の飛散時期も5月下旬~6月上旬と短期間です。
静岡県ではあまり見られませんが、瀬戸内地方では栽培が盛んでこの地域に特徴的な花粉症といえます。
特に小豆島では、栽培の歴史が長く、初夏にアレルギー症状が出る方の実に20%がオリーブ花粉症と言われています。
イネ科(特にカモガヤ)と飛散時期が重なるため、どちらに反応しているのか判断がつかない場合はそれぞれ血液検査を受けてみましょう。

公園や、山に生えています。世界遺産の白神山地のブナの原生林が有名で、どんぐりができる木としてもおなじみです。
花粉の飛散時期は4月~5月と、スギ・ヒノキと重なるため見過ごされがちです。
また、ブナ・ハンノキ・シラカンバといった「ブナ目」の植物は、花粉の作りが似ているため、どれかにアレルギーがあると他のブナ目の花粉にも反応する可能性があります。
さらに、ブナ目の花粉にアレルギーがある方は、バラ科の果物での口腔アレルギー症候群(OAS)にも注意が必要です。

ホソムギはイネ科の多年草で牧草としてよく用いられます。5月から6月くらいに花粉が飛びます。

アカマツは日本全国、山や、海岸付近に集中しています。4月から7月くらいに花粉が飛びます。

ヤナギは日本全国に分布し、街路樹や庭木、木材、樹皮採取などに利用されます。花は3~5月に開花します。

カナダで4月から5月まで花粉症を引き起こす主な植物となります。静岡ではあまり飛ばないようです。

食物系

イクラによる魚卵アレルギーは近年増加しており、ショック症状を呈する頻度は全食物アレルギーの中でも高くなっています。魚卵は鶏卵とは違い卵白はなく、卵膜と卵黄から構成されます。いくらアレルギーの人はたらこでもアレルギーが出る場合があります。

エビは甲殻類でカニやタコ、イカなどでもアレルギーが出ます。エビやカニなどの甲殻類の食物アレルギーは2、3歳以降に増え始めます。

エビとカニはセットで考えることが多くいずれも重症なアナフィラキシーを起こすことがあります。

日本で消費される果物の4位となっていますが、果物のアレルギーの報告の最も多いものが果物です。

コムギはタマゴ、牛乳に続きアレルギーを引き起こす原因となるものの一つです。血液検査で陽性であっても食事に問題ないことも多く症状に関しては医師との相談が必要と考えられます。小麦のアレルゲンはパンのように火を通したものでもアレルギーを引き起こしますので要注意です。麦茶や醤油でアレルギーが出ることはほとんどありません。

ゴマは皮がついたままであればアレルギーを起こすことは少ないです。すりごまや練りごまの方がアレルギーを引き起こしやすいので要注意です。

コメで見られるアレルゲンはほとんどの穀物に共通のものですのでコメ単独のアレルギーはあまり多くありません。

ソバのアレルゲンはまだ特定できていませんがそばのゆで汁や湯気でもアレルギーが出ることがあります。ごくわずかな量でアレルギーを引き起こすことが知られています。

醤油やみそ、豆腐などが大豆の代表的な加工食品ですが加工の過程であれ炎のたんぱく質が変性するためアレルギーを起こすことは多くありません。

タマゴは卵白にアレルギーを起こすことが多くあります。ウズラでもアレルギーが出ることがありますので注意してください。魚卵とはアレルゲンが異なります。

タラコなどの魚卵は鶏卵と違い卵白がありません。

チーズは牛乳のたんぱく質を多く含むため他の乳製品を食べても問題ないことを確認してから食べるようにしましょう。

トウモロコシはイネ科の植物です。種を食べたり油の原料になります。

ピーナッツは重症のアレルギーを引き起こしやすいので要注意です。ただしピーナツアレルギーがあるからといって他のナッツでアレルギーを起こすわけではありません。

マンゴーはウリ科の植物です。果肉よりも皮にアレルゲンが多く含まれますので皮をむく際に注意してください。

ミルクは加熱しても抗原性は失われないことが多くあります。カルシウム不足はアレルゲンミルクなどで代用します。

メロンはウリ科の植物でスイカキュウリなどでもアレルギーが出やすくなります。

モモはバラ科の植物でリンゴ、サクランボなどで食物アレルギーを起こすことがあります。ハンノキ、シラカバなどでアレルギーを起こすこともあります。

リンゴはキウイに次いで第二位の食物アレルギーの原因となっています。リンゴもバラ科の植物ですのでモモ、サクランボなどの交叉耐性があります。

鶏肉とタマゴは別のアレルゲンなので関連性はありません。同様に牛肉と牛乳は別のアレルゲンですので関連性はありません。

魚は古くなると魚肉からヒスタミンというかゆみを引き起こす成分が作られますがこれは食物アレルギーとは別のものを考えます。

くしゃみや鼻水や鼻づまりは本来体を守る働きです

鼻は外から空気を取り込む吸気口の役割がありますが空気にはちりやホコリ細菌などの異物が含まれます。異物が鼻に入るとくしゃみが起こり勢いよく異物を外に飛ばします。また鼻水を出して異物を洗い流します。鼻が腫れるのは鼻の通りを悪くしてこれ以上異物を取り込まないようにするためです。

花粉症は克服できます!!
~舌下免疫療法~

こんな方におすすめです

花粉症、アレルギーを根本的に治したい

花粉症やアレルギー性鼻炎を根本的に解決できる可能性のある治療です。
1年目から効果が出始めて2年目から効果がよく出てきます。8割近くの患者様に有効な治療です。

花粉症、アレルギーの症状がつらい

薬を使っても症状がつらい。そんな方には特におすすめです。色々薬を試したけど効果があまり感じられなかったという方も体質を改善することで症状を抑えることができます。

鼻水がひどくて集中できない

鼻水のせいで仕事や勉強に集中できない。そんな人にも効果的です。

目のかゆみがつらい

舌下免疫療法は眼のかゆみに対しても効果があります。花粉症、アレルギーの症状全般に効果が出ます。

これから妊娠を希望される方

妊娠・授乳中は使える内服薬に制限があります。また妊娠出産を経験すると鼻炎の症状が強くなります。
将来の妊娠に向けて体質改善をはかり花粉症・アレルギーの症状を抑えたいという方におすすめです。
舌下免疫療法中に妊娠した場合でも治療を継続することができます。

お子様、特に中高生

現在12歳から舌下免疫療法の治療を受けることができます。
この年代は試験や受験を控えて人生においてとても大事な時期です。
この時期に鼻や目の症状に悩まされることがなくなれば集中力の持続や成績の向上が見込まれます。

一般的に花粉症治療に用いられている第2世代抗ヒスタミン薬(一般的にアレルギーのお薬と言われているもの)を、花粉が飛散する2週間前(症状の出る前)頃から服用します。
症状が出てから薬を服用する場合に比べ、症状の進行を軽く抑えられるといった統計が出ています。中でも鼻水、鼻づまりやくしゃみなどの症状が強い方に効果が期待できます。

舌下免疫療法にかかる費用・料金の目安

初診時には血液検査を行います。3割負担の方で診察代、検査代、処置代等あわせて5,000円ほどかかります。その翌週の再診時から治療開始になります。
以降は毎月1回の診察になりますので診察代と薬代で毎月3,000円程度です。
静岡市内のお子様の場合は受給者証が使えますので15歳までは500円となります。

舌下免疫療法よくある質問


A-5歳から治療開始できます。15歳までであれば受給者証が使えますのでお子様が小さいうちに治療を開始することをお勧めしております。


A-当院では開始のタイミングをずらすことにより同時治療を行うことができます。
両方治療したい患者様にはまず先にスギ花粉症の舌下免疫療法を導入したのち1か月程度間隔をあけてダニアレルギーの舌下治療を開始しております。
スギ花粉の舌下免疫治療中の方でダニアレルギーの治療を開始したい方がおられましたらご相談ください。


A-免疫療法は現状では唯一のアレルギーを治し得る治療法です。しかし、全員に効くわけではありません。治療後の様子をうかがうと、治療を行った方の20〜30%で花粉症が治癒し、30%以上でかなり楽になり花粉症薬の薬が激減した、20〜30%で症状はあるが以前より楽と答えられます。残念ながら10〜20%では治療効果がありません。全体をみますと80%以上の方に効果があります。


A-スギ花粉の舌下免疫療法はスギ花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から治療を開始すると効果的です。スギ花粉の飛散する時期には開始できませんので1月中旬から5月中旬は治療を開始できません。


A-月に1回の通院が必要です。症状が安定すれば2か月分処方します。この薬は医師の処方箋無しに薬局で買うことはできません。


A-口の中で溶けるお薬で基本的に無味です。


A-薬はスギの花粉やダニから成分抽出されています。そのため薬害は無いと考えられますが、舌下投与の直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
これまでの海外での実績で重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもかなり安全とされます。しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。軽い副反応は怖いものではありませんのでよく理解していただければ安全に行なえます。


A-舌下免疫療法を行っていても、アレルギーや花粉症の症状がでたら適切にお薬を使ってください。舌下免疫療法の考えは、併用薬の量を少なくして、症状を軽減する治療と考えており、全ての方が薬を飲まなくてすむ治療とは考えていません。花粉飛散が非常に多い時には症状も出やすくなりますので、我慢せずに適切な薬の併用をお勧めしています。ただし、免疫の力で体質を改善する治療ですので、ステロイドという全身の免疫能を減らす飲み薬の併用を控えてもらう様にお願いしています。一方で、ステロイドの点眼や点鼻薬は花粉症にも効果が高く、よく使われる薬です。ステロイドの点眼や点鼻薬は全身に作用しませんので、舌下免疫療法と併用して構いません。ステロイドの内服薬のみ控えていただいています。


A-舌下免疫療法は、始めたら数日で効果の出るような治療ではありません。長期間の治療が必要です。花粉症症状を押さえ込む治療ではなく、免疫を変え、体質を改善する治療です。長い期間かけて少しずつ良くする治療であることを理解してください。即効性を期待できません。


A-ゆっくりと時間をかけて治す治療であることは、これまでの説明の通りですが、免疫療法は治療期間が長くなれば効果が高まります。舌下免疫療法では、初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなります。体の免疫能(体質改善)が進むからと考えられます。従って、何年も治療すると効果がより高まるため、長い間の治療を勧めています。数年での効果をみるとよいでしょう。


A-3~5年行えば、治療を止めても効果が長く持続すると考えられています。当院では、舌下免疫療法を4~5年行うことを勧めています。舌下免疫療法は、全員に効くものではありません。効かない方もみえます。また、数年で効果が高まりますので、まずは2年をめどに開始し、効果のある方には4~5年の継続を勧めます。そこで、終了しても効果は持続すると考えられています。終了して何年も経過すると、またアレルギー症状が悪くなる方が出てきます。その場合には、その時点で再度1~2年間の舌下免疫療法を行うと、効果が元に戻ると考えられます。注射の方法は、再度行う場合にも最初からやり直しとなり、時間がかかりますが、舌下免疫療法では再度行う場合も短期で行える利点があります。


A-舌下免疫の薬の価格は他の花粉症治療薬よりやや安い価格となりました。ほかの治療や薬の処方がない場合には、医院での治療費と薬局での薬代と合わせて1ヵ月あたり3,000~4,000円の負担(保険適応3割負担の場合)になります。
スギ花粉の飛散時期だけでなく1年を通じて治療をしますので毎月ほぼ同額の治療費となります。また、治療開始前の検査や1年に1~2回の検査が必要となり、その際にも3000円程度の検査費負担がかかります。舌下免疫療法を行っていてもスギ花粉が飛散する時期に症状が出る可能性があります。その場合にも症状を抑える薬代などが必要になります。しかし、舌下免疫療法を行うことにより、スギ花粉飛散期の症状が軽くなれば、これまでよりも症状を抑える薬の量が減る可能性もあります。


A-スギ花粉症もしくはダニアレルギーであること、免疫療法の適応であることなどの診断が必要です。当院では、すべてのかたに舌下免疫療法を第一選択の治療としておらず、お薬の治療やレーザー治療など、患者様の病状にあった治療法を提示しています。
まずは初診していただき、説明・検査の結果を聞いてから舌下免疫療法を検討していただくようにお願いします。まず検査をおこなうので、初診の日に舌下免疫療法を開始することはありません。また、これまでに当院に通院していただいているかたでも、舌下免疫療法を始めるにあたっての検査と説明が必要となります。

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